広瀬川歩記62

うちの子になれよ

スズメにも個性、といったら言い過ぎなら、個体差とでもいおうか。かなり個体によって行動が違うらしい。

「らしい」なんて情けない言い方をしたのは、実は家に来る数羽の雀を私が識別できないから、同じ1羽なのか、分からないからである。

ことはこうだ。

我が家ではパン屑をいつの頃からか外にまくようになったのであるが、年寄り二人分しかないのだから、スズメといえども到底満腹にさせられるものではない。

それなのに外に置いてある椅子の背に乗って、窓越しに餌まきを待っているスズメがいるのだ。

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つぶらな瞳で見るな!

待っている。このスズメはいつ人間が行動を起こすか、じっと待ち続ける。何分もあきらめずに待つ。

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ヒマなんだ

時には毛繕いさえしながら、じっと待つ。

長い時間の間に椅子に糞をかけることになる。だから人間はビニール袋で防衛する。今度はそれに糞をする。

野鳥だよ、スズメは。なのに何で窓際族をするの?ボクとの間の距離は、せいぜい50㌢だけれど、それでも窓を開けようとすると、いち早く飛び立ち、届かないところまで後退して。パン屑がまかれるのを待つ。

この大胆さと用心深さこそ、スズメが人間近くで生き抜いてきた原動力に違いない。