広瀬川歩記150
季節は移り(3)
これは、去年の元旦に撮った写真。
澱橋の下流で広瀬川は大きく右手にカーブして、そこに中州を作っているのが見えるでしょう。中州の左手が凹んでいるのは、ヘクリ沢からの流れ込みが作ったものです。
増水によって中州は形を変えながらも、次第に大きくなってきました。そこら一帯は水鳥のサンクチュアリ。ネコも人も来ません。ヘクリ沢のすぐ先には、かつてキジが巣を作っていました。
それが今年、沢まで延びた河川敷に重機が入り、土砂を浚い始めたのです。
川から引き上げられた土砂は、石と砂に分けられ、それぞれにどこかに運び去られたのですが、私には水鳥たちがどうなったか、そればかりが気になっていました。
だから工事が終わるとすぐに行ってみたのです。
中州がなくなったセイで水の流れが変わりました。全体に川幅が広がった分、浅くなりまるで違う川のようです。もっと先まで行ってみましょう。
かつて水鳥たちの並ぶ姿が見られたヘクリ沢の先(下流側)は、ただ岩盤が岸を形成するだけとなりました。その上を歩くと申し訳ないような気持ちにさせられます。
ため息をつき、私は戻るしかありません。