広瀬川歩記144

ハトって

向こうでアメリカの動物滅亡史

藤原 英司 著

向こうで何かが止まった。

キジバトかな?と近づいてみると、案の定である。道の脇にある柵からキョロキョロとあたりを見回している。

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キジバト

さらに近づく。数メートル手前でようやく、道におりた。だがそっちは私の歩く方向。私が進む。ハトはその先に行く。また進む。またトコトコと先に行く。

数回繰り返したあと、少し離れた柵の上に止まったが、この鳥は特に警戒心が弱い。何しろ伝書鳩のように人に飼われる仲間もいるくらいだから。

 

そうそう、昔読んだ(多分)藤原英司著『アメリカの動物滅亡史』という本に、たしか、北アメリカに数十億生息していたというリョコウバトが食用に乱獲され尽くし、マーサと名付けられ動物園で飼育された最後の1羽は20世紀初頭に老衰により死亡したという事が書いてあった。

リョコウバトの肉が美味でなかったら、滅亡することもなかったのだろうけれど、警戒心の弱さもあったのかもしれない。

 

それにしても「最近この辺では見かけなくなったけれど、他所に行けばまだまだいるさ。」という台詞がどれほど根拠のないものであるか、藤原は警告していた。

この本は、退職の時に他の本とともに人にやってしまったが、もう一度読みたい。

でも「どこかに行けばある。」という発想は止めよう。