広瀬川歩記123

誰の道

牛越橋と澱橋との間の左岸には約1キロにわたって堤防が続き、ランニング用として整備されたその上を、歩いたり走ったり、人々は思い思いに楽しんでいる。

牛越より上流側に土手道はない。

川面からそれほど高くもない小道が川と段丘崖との間の僅かなスペースに続き、やがて道は滝前橋を渡って一気に川面より7~8m高くなる。全部で500mほどのこの小道を利用する人は、住民の他にあまりいない。

高いところに小道が通ると、新たに川縁に別の小道が並行するようになる。しかしその護岸道路200mほどでなくなり、その先は急激なカーブに沿って道ともいえぬ道がさらに上流に向かう。段丘崖下のスペースには雑木林があって、川の氾濫がもたらした堆積物が軟らかく、人の通った跡が道となっている。

道は、河川敷に勝手に作ったと思われる畑の間を抜け、さらに人家の方にまで伸びていく。

ところがその辺り、猫の額ほどの畑が誘うのか、原始林のような雑木林が呼ぶのか、野生動物が豊富で、クマまで出現する始末。

去年は、それが人家にまでやってきたと再三話題になったが、そのためだろう。元々ほとんど人通りのなかった小径にさらに人影が失われた。そうなれば道は誰のもの?

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道が荒れた

道はそこら中ほじくり返され、畑を囲う柵ができている。そうだ、クマが寝ている間にここはイノシシの天下になったに違いない。