広瀬川歩記122
何かが、起こる?
こう連続して何日も野鳥を見かけないと、だんだん不安になってくる。
たしかに、水鳥は探せば見つかるし、トンビやカラス、ヒヨドリだって毎日のように見かける。だが小鳥は4,5日前を境に以前ほど見かけなくなった。
以前ほど、と言っているのだから、全く見ないというわけではない。第一、スズメは必ずいるし、セキレイもほぼ毎日見かける。ジョウビタキ、シジュウカラも見かけることはある。
だが、それらも見ないし、カワセミがいなくなり、カワラヒワが姿を隠すと、何か良からぬ事が起きるのではないか、と不安になるのだ。
昔むかし、レヴィ・ブリュールの『未開社会の思惟』を楽しく読んだことがあるが、私の中にも未開人はいるらしい。小鳥のいない川辺を歩いているうちに、アニミズムが受け入れられていく。
小鳥たちを私たちの前から隠す存在。大いなる存在が人類に警鐘を鳴らしているような。