広瀬川歩記115

いつの間にか無くしたもの

雪は コロナのごとく 降る 人の背に

コロナは 雪のごとく 舞う 人の口に

 

ウィズ コロナ と聞いた時 

随分 軽薄な言葉だと 怖れたが、

なぜ人は それを受け入れたのだろう

 

 

旅上


ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。

 

 

子供の頃、夢中でそらんじた朔太郎が

今 気ままなる旅さえも 許されぬものになったようだ

 

コロナと戦う「気」を 私は失いたくないのに