いつの間にか無くしたもの
雪は コロナのごとく 降る 人の背に
コロナは 雪のごとく 舞う 人の口に
ウィズ コロナ と聞いた時
随分 軽薄な言葉だと 怖れたが、
なぜ人は それを受け入れたのだろう
旅上
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。
子供の頃、夢中でそらんじた朔太郎が
今 気ままなる旅さえも 許されぬものになったようだ
コロナと戦う「気」を 私は失いたくないのに