広瀬川歩記58

進化したキンギョ

サクラとアカネ。

 

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左下隅にソーメンが・・・

手前の赤と白がサクラ、奥の赤がアカネ。

アカネは身体が弱くて、買ってきた時はサクラよりも大きかったが、いつの間にか追い越されてしまった。
水面ばかりをヒヨヒヨと泳いでいて深い方に行くのは苦手である。早く進むことも得意ではない。餌を与えても、急ごうとすればするほど後退してしまう。

今はこの磁器の鉢に定着したが、ちょっと前までは薬と塩の入った水槽に一人で暮らしていた。それでも水面で仰向けになったり、動かなくなって飼い主をハラハラさせてきた。塩水じゃないと生きられないかもしれない、と心配したものだ。

どうやらこうやら生きている。朝夕、人工飼料の粒を5~6粒ずつやることにしているが餌をまくと、ほとんどサクラが食べてしまう。それでサクラのいない時を狙ってまくが、最近はサクラがフェイントをかけるようになり、遠ざかったと見せかけて矢のように戻ってくる。そうなればアカネが5粒完食する間にサクラは20粒ぐらい食べることになりかねない。

ある日のことである。昼食がソーメンだったので2匹にもおスソ分けをしようと思いたち、釣り糸のように手に持ったまま垂らしてみたら、サクラが食いついた。アカネはなぜか近寄らない。サクラはうまさを覚えて、垂らすと思いがけない強さで引っ張り、マル1本をあっという間に呑み込んだ。

それからというものソーメンを垂らせばすぐにサクラの腹に納まるので、アカネは味わうことができないでいる。あまりにも可哀想だから、サクラが近寄るとすっと引き上げアカネを待つようにしたら、

なんと!

サクラはほてい草の根を口にくわえて私の方に近づいてきた!

ソーメンよこせのアピールか?

食欲は金魚を賢くさせる・・・?