広瀬川歩記43
立秋だって
私は連想好きの夢想家である。
梅雨が明けたら立秋というのには本当にびっくりしたが、今日散歩してみた空には暦を裏付ける「気」がある。
何というトンボか。アキアカネとは違うようだが、これも秋っぽい。常より小さい身体で精一杯秋を迎えようとしている。
立秋と聞くと毎年連想するのが「立原正秋」。最初と最後を合わせると「立秋」だから。でも同じ高校生の頃、読んで感激したのは「立原道造」
「萱草に寄す(わすれぐさによす)」だったか、むだのない静謐さに酔いしれた記憶がある。それに「エリザベートの物語」という言葉は高校生にとって、イヤというほど想像をかき立てるものだった。・・・気がする。
「僕の骨にとまっている 小鳥よ 肺結核よ
おまえが嘴で突つくから 僕の痰には血がまじる」
「病」だったか、堀の詩人としての資質に驚いた瞬間だった。